【仮想通貨】新しいトランザクション(取引)の追加方法【ブロックチェーン】
仮想通貨で用いられているブロックチェーン技術において、新しいトランザクション(取引)をどのように既存のブロックチェーンに組み込んでいくのか、ということについて調べてみました。
1つだけ存在する公開台帳であるブロックチェーンに、新しい取引(仮想通貨の移動)を追加するのはどのような手順で行っているのでしょうか?
ちなみに、トランザクション(取引)は、ビットコインの場合「AさんからBさんへ X(BTC)移動する」といったような指示のことです。
複数のトランザクション(取引)をまとめて管理したものを「ブロック」とし、ブロック単位で承認され、ブロックチェーンに組み込まれていきます。
1ブロックの内容の詳細については以前まとめました。
【ビットコイン】1ブロックに含まれる情報について調べてみた【マークル木】
具体的な手順は以下のようになります。
- 1つ前(親)のブロックヘッダーのハッシュ値参照を作成する
- 新しく追加された複数のトランザクションからマークル木を作成する。
- 1.で作成した「ブロックヘッダー参照ハッシュ値」,2.で作成した「マークル木ルートのハッシュ値」などを用いて新しいブロックヘッダーを作成する
- 3.で作成したブロックヘッダーのハッシュ値を求めるためのナンスを見つける
- 4. で求めたナンスをブロックヘッダーに追加し、ブロックを完成させる
ビットコインの場合は、1.もしくは 4.の「ブロックヘッダーのハッシュ値」を求めるときに、64文字のハッシュ値のうち、最初の16桁の値が全て「0」になるように「ノンス」の値を調節しなければなりません。これは、ブロックの生成時間が 10分になるように、2016ブロック生成されるたびに直近の 2016ブロック生成にかかった時間を測定し調整されているため、2020年現在では、16桁と設定されているためです。
具体的なハッシュ値は以下のようになります。
00000000000000000007ba1e67d3f54a6e404aad5f573418f77238213ec861ed
合計64文字で、最初の16文字が全て「0」になっていることが確認できます。
ブロックヘッダーのハッシュ値は SHA256 を用いているので、256ビットとなり16進数で表されているので合計64文字となります。
また、ノンスはランダムな 32ビットの値です。ノンスを色々と変えていって、最初の16桁が全て「0」になるような値を見つけなければブロックをブロックチェーンに追加することができず、トランザクション(取引)も承認されません。
この最初の16桁が全て「0」になるようなブロックヘッダーのハッシュ値を求める作業が「マイニング(採掘)」と呼ばれるものです。
そして、マイニングにより、一番最初にハッシュ値を見つけたユーザに報酬(例えばビットコイン)を与えることを Proof of Work(PoW)といいます。
参考図書
関連記事
-
【ビットコイン】 アドレス生成方法について調べてみた。
仮想通貨の1つであるビットコインを送金するときは、送付側と受け手側のそれぞれのアドレスが必要
-
【仮想通貨】トランザクションについて調べてみた【ブロックチェーン】
ビットコインなどの仮想通貨では、取引をトランザクションで記述されます。 そのトランザク
-
【仮想通貨】デジタル署名について調べてみた【ブロックチェーン】
ビットコインなどの仮想通貨のブロックチェーンで用いられているデジタル署名(Digital s
-
【ビットコイン】1ブロックに含まれる情報について調べてみた【マークル木】
ビットコインなどの仮想通貨では、トランザクション(取引)の束を「ブロック」という単位で扱い、
-
【イーサリアム】 公開鍵暗号について調べてみた。
仮想通貨の1つであるイーサリアムでは、公開鍵暗号という技術が使われています。 公開鍵暗
-
【仮想通貨】時価総額のランキングを円(JPY)で見る方法。
ビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨の時価総額のランキングを 円(JPY)で見れる分かり
-
【Solidity】 イーサリアムでコントラクトを生成してみた。
スマートコントラクトプログラミングの高級言語の1つである Solidity を使って、イーサ
-
【ビットコイン】ハッシュ関数(SHA-256・RIPEMD-160)について調べてみた。
ビットコインなどの仮想通貨で使用されているハッシュ関数(hash function)という技
-
【イーサリアム】 ハッシュ関数(Keccak-256)について調べてみた。
仮想通貨の1つであるイーサリアムで用いられているハッシュ関数「Keccak-256」について
-
【イーサリアム】日本円のチャートで比較する方法【イーサリアム・クラシック】
イーサリアム(Ethereum)は、2020年時点で、時価総額がビットコインに次ぐ第2位の仮